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夢見る世界~大岩オスカール展~(某日午前) [アート]

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 現代美術が好き!
 美術史に紹介され、誰でも知っているモネ、ルノワールも嫌いじゃないが、いい加減飽きた。
 もちろん印象派は素晴らしいが、そればっかりが絵画じゃないだろう。皆が同じ物を観、同じ感想を持つなんて、天邪鬼(あまのじゃく)なワタクシには耐えられませ~ん!

 で、久々に「ぴあ」を買込んで、アート欄をどれどれと眺めていると、とても綺麗な、でも一風変わった絵が紹介されていた。高層ビルの上空一面に咲いた花、花、花、、、。綺麗ではあるが、綺麗なだけじゃない《何か》を含んだ絵。
 心の中の虫(?)が騒ぎ出す。気になったら、そりゃあ、行かざるを得まいて!

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 なんとも懐かしの少女漫画の主人公のような "オスカール" なる名前の日系二世の大岩オスカールは、当然の如く日本文化の影響が色濃い。ただしそれは古典ではなく、マンガ。
 《マンガ~アニメ》は、現在進行形の生きた日本文化の象徴となって世界に拡散中。彼の絵の中にも理屈以前に、当り前のこととして顔を覗かせる。

 それと同時に、大学で建築学を学んだことをうかがわせるさまざまな都市の表情。
 それは約10年間、実際に日本で生活していた実体験から発生した "日本家屋" を描いた一連の作品に顕著だ。そこにあるのは今となっては懐かしい昭和の雰囲気を濃厚に漂わせた長屋だったり、アパートだったり、白黒写真でしかお目にかかれなくなった古めかしい東京のたたずまい。

 また、「機械と風景」「機械と生命」のように、どこかSF風な命題をも含んだ作風もところどころ覗かせながら、戦争の暗い影や、幻想的=非現実的風景が大キャンパスいっぱいに描かれる。

 以上のことからもおわかりの通り、さまざまな要素が渾然一体となり、あたかもコラージュ作品のように展開されるのが彼の絵の特徴なのだ。

 展示会場の一角では、彼のインタビューを中心にした映像が流れ、これが絵だけではわからない画家の生の声と姿が垣間見ることが出来て楽しい。
 日本人なら嫌がるお金の話や、何故大きなキャンバスに描くのか?、活動の拠点をニューヨークに移した理由は? とか、質問に率直に答えるオスカール。どこかの場所に従属するのではなく、所在地は《地球》という答えに、強烈なグローバル意識を見た。

 それともう一つ、日本での生活・創作拠点であった足立区の商店街や町並みを、ママチャリにまたがって、あっちへこっちへ移動する姿が何ともユーモラスで、これなど彼の描いた絵を見た後ならなるほどね! と、笑えること請け合い。

 まだ一般的には名前も売れてないだろうから、それほど混雑しなくて観れると思うので、ぜひ自分で足を運び、ユニークな彼の作品を鑑賞してみて下さい。きっと色々な感想を持たれると思いますよ。

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タグ:現代絵画
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