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ジャクソン・ポロック展 [アート]

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 =後追い記事になってしまいましたが=

 やっぱり春はアートですよ、アート!
 なんか新しいもの、知らないもの、理解出来ないものに接したくなってしまうのは、ワタクシだけでしょうか?
 これって芽生え???

 行こう、行こう、と、思っていたポロック展に、やっとの思いで行って来ました。うかうかしてたらほとんど終わりかけている状況で、ギリギリ滑り込みセーフ!!! って感じ。意外や意外、これが日本初回顧展だとか。

 ポロック=アクション・ペインティング

 というのは、もはや知らぬものが誰もいないほどの代名詞となっているが、でも、
 「それってちゃんと描いているの?」
 「でたらめじゃないの?」
 なんてふとどきな輩は思っちゃったりしちゃうのだが、実はちゃんと考えた末にああなっているんだなあ・・・。
 でも、アクション・ペインティングは不確実性の技法なので、こう描きたい画家の思いとは裏腹に、違っちゃう場合もあったりするのがご愛嬌というか、面白かったりするのだけれど。
 その証拠に、ご本人様も、
 「これ、失敗作!」
 とか、言っていたらしいし・・・(笑)

 で、回顧展なので、若い頃の、まだアクション・ペインティングにたどり着く前の画も展示されていて、これが岡本太郎なんだよね。時代的にはこちらが先なんだけど。別にこれは岡本太郎がポロックに影響を受けているとかじゃあなくて、2人には共通点があるのね。
 それは、
 岡本太郎=縄文土器、埴輪
 ポロック=メキシコとか南米の昔の壁画や彫刻(お面の類も含む)
 なの。
 2人とも、古代人が描いたり作ったりした、原始的パワーに溢れた作品からインスパイアされているから、あれれ、良く似ているじゃん!! と、なる。

 それ以外にも、ミロの影響は大きいみたい。もちろんピカソは言うに及ばずだけれども。

 そんな土着的民族主義とキュビズムが結びついて、初期ポロックの絵画は形成される。
 ついで、偶然性を導入した手法を探るように、床に置いた大きなカンバスに絵具をたらしたり、流したりし始める。偶然性の導入という、新たなる地平を開拓するのであった。
 この偶然性の導入は、音楽の世界ではジョン・ケージが有名。まったくの偶然ではなく、ある程度の決め事を設け、それにのっとった偶然性なのだけれど、音楽の一回性とか、それまで気づかなかった音楽の持つ側面に新たに光を与えるといった効果をもたらすこととなる。
 偶然性を取り入れたポロック中期の作品も、ちょっと観ると、でたらめに描いているよう。でも、よーく画を眺めると、カンバスの隅々にまで、ちゃんと神経が行き届いているのがわかるはずだ。色の置き方を眺めれば、それがはっきりと見て取れる。
 
 美術界に革命をもたらした時代の寵児は、しかし、名声の確立の上にあぐらをかかず、新たな表現を模索し始める。しかし、一度頂点を極めてしまった画家の転身(?)は、スムーズに行くはずもなく、スランプに陥ってしまう。後期は抽象と具象の中間のような描き方で、しかし、アクションペインティングの時の衝撃がどうしても脳裏に残っているので、どうしても観る者に中途半端な感じを抱かせてしまうのも事実。

 思うように描けなくなった画家は、アルコール依存症を再発し、あげくの果てに自動車事故であっさり他界。44歳の若さだった。

 会場の出口に、ポロックのアトリエが再現されていて、そこに足を踏み入れると、自分がまるでポロックになったかのような錯覚が。そうか、こんな風にして描いていたのね、と、感慨深い。


  
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