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かえりの合図、まってた食卓、そこ、きっと━(マームとジプシー) [演劇]

 第56回岸田國士賞を受賞。一躍マームとジプシーの名を世間に轟かせた作品。
 今回はリニューアルしての再演。見逃していた者にとってはありがたい再演だ。

 内容は、<家>にまつわるあれこれ・・・・。

 思い返せば、マームとジプシーは、<家族>、家族が集まる<家>、<地方都市>に、ずっとこだわっているように思える。それは喪失感と言い換えてもよい。
 「ワタシんち、通過。のち、ダイジェスト。」などは、おばあちゃんが住んでいる古い実家が取り壊される話だった。この「かえりの合図~」でも、長男が一人で住んでいる実家が取り壊される話で、引き続き物語の重要なベースになっているのがわかる。

 時間もそれと同様に重要なポイントで、20年の歳月が流れているのだが、それも時間の流れた通りではなくて、一度解体され、また、別の順番で組み立てられている。その時間の集積があればこそ、<家>の持つ意味合いというか濃度の濃さが際立つ。執着するには時間が必要なのだ。
 家にとどまる者、去って行った者、お互いに等しく時間は流れる。たとえ離れ離れになったとしても、<家>という核が消えない限り、そこを起点として、思いはつながる。
 だが、仮に<家>がなくなったとしても、新たな起点を作りだし、関係は続くのだろう。

 再演の前を観ていないので、今回の上演が先とどう変わっているのかはわからない。それでも舞台に登場する<木の枠>は、最近登場し出したものなので、きっとこれはなかったに違いない。ある特定された場所を表現するにはなかなか便利な装置で、組み合わせ自由なところがアイデア。

 ここ数作を観て、表現方法としてはほぼ固まってきたようにも思えるが、さて、マームとジオプシーはこれからどんな風景を観客に見せてくれるのだろう?
 
 
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