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ミッシェル・ポルナレフ復活ライブ [音楽]

 以前「祝ポルナレフ復活 そして70年代の残り香」と称して、このブログでもいよいよポルナレフが動き出すという情報を載せた。
 復活する、復活すると、何度かまことしやかに噂だけが一人歩きし、けっきょくは音沙汰なし。こんな思いをしてはや10年。やっと重い腰を上げ、今度こそは大丈夫。なんせフランスのテレビにまで出演し、インタビューに自ら答えているのだから。

 それを裏付けるように、eBay(イーベイ)には公演のチケットがオークションに出されていた。これを見て、やっと信じる気になったのだから、TAOもまったく疑り深い。

 そんな思いから数ヶ月、数日前に偶然手にした「レコードコレクターズ6月号」の巻頭に、立川直樹氏のツアー観戦の様子が4ページに渡ってリポートされていた。おおっ! と、思わず漏れる声。そのまま雑誌を手に取り一目散にレジへと急ぐ。それを読むとツアー初日が2007年3月2日なのが判明。もしかして・・・。
 家に帰り、早速YouTubeにアクセスする。すると、あった! 観客が撮影したライブの様子がしっかりUPされているではないか!

 映像は揺れ、ブレ、音質、共に極悪。客席から撮影しているのだからそれもいたし方ない。それでも記録された映像の中から、当日のライブの様子が伺い知れた。95年に発売された「LIVE AT THE ROXY」の時とはアレンジも変わり、何より、また以前のようなクリクリのあの独特な髪型に戻っていた! 63歳という年齢から考えるに、声に衰えはほとんど感じられない。それだけでも驚異的!

 ミッシェル・ポルナレフは孤高の存在だった。フォロワーを生まないのである。正確に言えばフォロワーを生み出し得ないのだ。それは唯一無二の彼の声による。彼の歌は彼独自のファルセットと密接に結びついている。強烈なファルセットは誰も真似出来ない。それ故、誰も彼のように歌うことが出来ないのだ。

 立川直樹氏も書いていた通り、会場の盛り上がりは予想を遥かに超えてすざまじかった。63歳のいちミュージシャンの34年ぶりの凱旋公演に、観客は大熱狂。お馴染みのサングラスを手に、一緒に歌い、彼のリアクションには大げさに反応し、そしてアンコールを大声で連呼する。こんな雰囲気は残念ながら日本ではあり得ない。

 1970年代、ラジオから流れて来る洋楽ベストテンには必ず彼の歌があった。「シェリーに口づけ」「愛の休日」「愛の願い」「忘れじのグローリア」等々、美しい旋律を帯びた魅力的な曲の数々が。今でも鮮明に蘇る。

 せっかくの復活なのだから、この機会にぜひ日本公演を実現させてもらいたいものだ。当時10代の少年は40代になり、20代の女子大生は50代にさしかかり、子供の進学に頭を悩ませているかもしれない。しかし、そんな人達にも青春時代はあったし、音楽を通して心ときめかせていた頃の自分をもう一度想い出して欲しい。

 いつだって音楽はそこにある。あなたが忘れさえしなければ。








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deacon_blue

☆ あれほどの人気を得ながら米国進出は詐欺紛いに引っ掛かってそこから長く音信不通となっていました(その間の話をどこかのインタビューで見たことがある)。90年代にようやく再評価され始めましたが,ご本人健在とのことで,エルトン・ジョンともども目出度い話と思います(^o^)。
by deacon_blue (2007-06-01 12:47) 

TAO

いつもnice! をいただきありがとうございます。
deacon_blueさんの音楽に対する愛情には、まったく頭の下がる思いです。
日曜日の午前中にラジオから流れる洋楽ヒットチャートが一番の情報だった時代、カーペンターズの「シング」、エルトン・ジョンの「グッドバイ・イエロー・ブリックロード」、ストーンズの「悲しみのアンジー」、ポルナレフの「愛の伝説」等々、心に流れ込んでくる素晴らしい歌の数々が、今になっても強く印象に残っています。
そこにはフランスもあればイタリアもあり、今よりも情報量が圧倒的に少なかったにもかかわらず、豊かだったのはなぜでしょう。
今は英語圏が中心になり過ぎているように思えてなりません。
by TAO (2007-06-01 20:35) 

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