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最近、こんなCDを買った [音楽]

 ここのところ中古CDの1000円以下を狙うか、AMAZON COM もしくはHMVのONLINE-STOREでCDを購入するかのどちらかが多い。何故かと言うと、店の陳列棚を探しても、名盤はあっても、マニアックなモノは置いてないからだ。
 以前、HMVのONLINE-STOREで面白CDを探し当て、新宿の2つの店舗に探しに行ってなかったことがあり、どうやらONLINE-STOREはお取り寄せ可能商品がカタログとして掲載してあって、それは必ずしも店舗在庫を意味しない、それが判明してから極端に店舗を訪れなくなった。

 その代わり、暇な時間を見つけてはONLINE-STOREでせっせとCD探しにいそしむ今日この頃。もちろん高いものは除外。えっ? この値段でいいの? 的な掘り出し物を探すのが楽しくてしょうがない。もちろん中にはオーダーしたものの入荷予定が立たずキャンセルなんてことも結構あったりもするが。

 ここでは最近のTAO風音楽LIFEの一端を、ちょっとばかりご紹介いたしましょう。


     
                           『La belle vie/Juliette Greco』

 シャンソン界の永遠のミューズ、ジュリエット・グレコ。
 70歳を過ぎて尚且つバリバリの現役であり、今年はニューアルバムの発売と、な、なんと来日までしてしまった! 金欠の為、泣く泣くチケットを諦めざるを得なかったのが、返す返すも残念でならない。
 それにしてもいい女だなあ・・・。どこか憂いを帯びた表情と、煙草を咥えた不良っぽさのアンバランスが、もーっ、タ・マ・ラ・ナ・イ!!! はっきり言って、ジャケ買いです! 出来るならLPで欲しかった! プレイヤーはないけど(笑)
 黒ずくめの衣装でステージに立ち、男勝りの低音で歌う姿に、作家のサルトルやボリス・ヴィアンが夢中になったという逸話が残っている。時代は実存主義。それくらい才人達の "何か" を揺さぶる、秀でた才能を持った歌い手だった。
 このCDはHMVのONLINE-STOREで購入。セール特価898円。
 音からして録音は50年代前半か? 3曲目と4曲目に間違って同じ曲が収録されているという珍品。ちなみに3曲目のタイトルは「ROMANCE」、4曲目は「L'AMOUR EST PARTI」。収録されているのはどちらも4曲目。いえいえ、怒りませんよ、そんなことで。何が起こっても不思議じゃない輸入盤ってね(笑)
 さすがに声は若い。ジャケット同様、けっこうぶっきらぼうに歌ってる。このクールさがハマるといいんだよなあ・・・。


      
          『THE OLYMPIA,1961&1964/JACQUES BREL』

 二度と現われないであろう偉大なる歌手。シャンソン界だけでなく、あらゆるジャンルを見渡しても、彼に匹敵する歌い手はそうはいない。
 シャンソンは一曲一曲がまるで上質な短編小説に例えられる。そこに書かれた人生を歌うのだ。ブレルはまさに自らの魂を削るように歌を歌った。その姿はまるで何かに憑かれたように、時に激しく、時に優しい。10の曲があれば、10通りの人間がいて、10通りの人生が、愛が、苦悩がある。
 このCDは1961年と1964年にパリのオリンピア劇場で行われたコンサートの模様を収録した二枚組。もともと別々で発売されていたものを併せて二枚組として発売された。価格はHMV特価で2448円。ただしバラで買うと、61年が2198円、64年が1883円の価格設定になっている。これなら誰だってこの二枚組みを買うだろう。
 このジャケットはなかなか男前に写っていて、ちょっとだけかっこいい(笑) 本人は自分の猿顔にかなりのコンプレックスを抱いていたなんて話も伝え聞く。
 しかしそんなブレルも、肺がんが原因でわずか49歳で命を落とす。まるで歌と格闘するかのような人生だった。無念だったと思う。まだオレは歌える! そう心の中で何度叫んだことだろう。
 時として神様は才能溢れる者に嫉妬する。嫉妬のあまり死の矢を放つのだ!
 面白い事にこのCDの裏側の曲目、フランス語のタイトルの後に英語タイトルが表示されているのだ。
  例えば、「LES VIEUX」(THE OLD PEOPLE)といった具合に。
 不思議なのは、
 「1961年盤」CD一枚目⇒「LES BOURGEOIS」(THE MIDDLE CLASS)
 「1964年盤」CD二枚目⇒「LES BOURGEOIS」(MIDLLE CLASS PEOPLE)
  この二曲はどう見ても同じ曲でしょう。それなのに英訳が異なるのはなぜ? そんな統一感など微塵も意識しないアメリカ人が好きです。ソンナコト、ドーダッテ、イイジャナイ! 本来、良くはないのだが、このいい加減さが今の日本には必要なような気がする。 

 曲はもちろんだが、曲以外でも番外編的楽しみ満載のこの二枚。マニアックだなんて言わないで、ぜひ一度は聴いてみて下さい。良い物は肌の色、言語、ジャンルの違いを軽く超越して、やっぱり素晴らしいんですから!


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コメント 6

みん姐

シャンソン良いですなあ~~~♪
グレコ姐さんはなんと言っても声がセクシーで良いですね。
くわえて倦怠感たっぷりなのに凛とした風貌。。。。。。
「悲しみよ、こんにちは」(タイトル合ってる?)の映画主題歌を歌ってて、劇中にもお姿を見せていたけど、ぐっと来ました!
あの映画も大好きです。
家ではたまにアズナブール、ピアフ、モンタンをお酒のBGMで主人が聴き、私も付き合いますが、ウイスキーを飲む時、シャンソンかジャズが定番です♪大人の時間。。最高です☆
この二枚のCD,欲しいなあ~~!!
そういえば新宿2丁目の「シャンパーニュ」って店、20年行ってないや。。
(長文、ごめんなさい)
by みん姐 (2007-10-23 08:01) 

TAO

つい先頃、エディット・ピアフの映画が公開されましたが、ボクにとってのシャンソン歌手はやっぱりグレコ。それと、コラ・ヴォケールという今ではなかば忘れ去られてしまった歌手。彼女の優しい歌声はすばらしいです。
確かアズナブールも "最後" の来日をしたはず。でもチケット代が2万円! す、凄い!
『酒と音楽』はまさに切っても切れない仲。
ボクの酒(パソコン机の横にはNikka Molt Clubが!)のBGMもやはりJAZZが多いです。アート・ペッパーのアルトの音などまさに官能的でさえあり、うっとりしてしまいますよね。
また、デューク・ジョーダンの哀愁たっぷりの枯れたピアノもたまりません!
by TAO (2007-10-23 22:26) 

みん姐

TAOさん、おはようございます。
毎日お邪魔してごめんなさい。。
そうですか!!嬉しい!。。って何が?
えへへ~~!やっぱりウイスキーはニッカですよね♪
亡父もNikka Molt Clubが大好きでした!
う~~~ん。さすがTAOさんはジャズもシャンソンもよく知ってますね~
尊敬しちゃいます☆私は結構ROCK少女だったんで、(と言ってもSTONES狂)ジャズやシャンソンはもっぱら主人の受け折です。
しかし、秋~冬はやっぱりこれらの大人の音楽が最高です♪
アズナ爺、そんな高額なチケットだったの?ひょえ~~!!!
ま・・・バレーのS席+ワインハーフボトル分くらい・・と考えれば高すぎないのかな?ちょっと行きたかったです。
ラ・ポエム・・・素敵だったろうな・・
TAOさんのブログは深くてとても楽しいです。また時々お邪魔しますね。
by みん姐 (2007-10-24 09:07) 

TAO

好きな時に立ち寄って下さいな。
でも、みん姐さんももの好きですね。だって、このブログ、真っ当な事や誰でも知っている事なんてぜんぜん載ってないんですから。
自分でも反省はしているんですが、「ブログ=日記」と考えると、これが今の正直な自分なんですね。他人に媚売る必要もないから、まあいいか・・・。
元々はボクもみん姐さんと同様、ストーンズ派ですよ。ちなみにこの前の東京ドームのコンサートにも駆けつけたし。元気なキース&チャーリーに会えたのが何よりでした。
今ではノン・ジャンルで色々な音楽を楽しんでいます。そのうちそんな音楽についても触れようと思ってますが、誰も知らなかったどうしよう?
by TAO (2007-10-24 23:07) 

みん姐

TAOさん、
そうなんです。。私って「モノ好き」です。。笑!
その上、時代おくれ人間です。。
しかし、TAOさんはマニアックでいながら広範囲に渡って雑学ですよ!
きっと、何でも知ってて頼りがいのある、素敵なお父さんなんだろうな~
因みにストーンズではブライアンが好きです。
だってストーンズの名付け親だし、あの生涯も、風貌も、音楽センスもすごく興味深い人でした。。
彼だけスーツ姿も似合ってたな。。
初期のブルースっぽいブラックなストーンズって、今聴いてもハートに響きます。
by みん姐 (2007-10-26 21:32) 

TAO

「TIME IS ON MY SIDE」「TELL ME」「HEART OF STONE」等々、初期のこれ等の歌は、文句なしに格好良いですよね。この溢れる若さが・・・たまりません!(笑)
自分を時代遅れなどと言うなかれ。
最先端が必ずしも善だとは思いません。それ以上に便利になろうとして逆に不便になってしまっている事多し。物も心も。
『我思う、故に我あり』(by デカルト)と心の中で唱えて、自分が世界の中心だと勝手に決め付ける! それでいいじゃないですか!
by TAO (2007-10-27 07:34) 

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