『天使の歌声』(アート・ガーファンクル) [音楽]
『天使の歌声(ANGEL CLAIE)/アート・ガーファンクル』(1973)
いやあ~、いつ聴いてもいいね。
ビートルズとともに、古典中の古典である、サイモン&ガーファンクルの曲の数々は、ちょうど我が青春の1ページを彩る、貴重な存在だ。
このブログでも「I AM A ROCK」を紹介したが、彼らの曲に駄作なし。これってやっぱり凄い。ストーンズの曲の半分は駄作なのと比べると、その凄さがよーく分かる(それでもワタクシもストーンズファンなのですが)。
さて、ここではS&Gのガーファンクルの方をちょっとだけ紹介。
S&G解散後、当然のように注目を集めたのはポール・サイモン。彼がすべての曲を手掛けていたので、当然といえば当然なのだが、そんなプレッシャーの中、『ポール・サイモン』『ひとりごと』と、立て続けに名作を発表。シングルカットされた「母と子の絆」、「僕のコダクローム」も大ヒット、一人になっても凄いポール・サイモンを天下に知らしめた。
一方、アート・ガーファンクルは曲は作らず、ボーカリストとしての資質に合う楽曲を、いかに自分流に歌うか、ということは、イコール、いかに彼の美声を聴かせるか、を、第一に掲げたアルバムを作ろうと奮闘していた。
その結果、満を持して発表されたのが、この『天使の歌声(ANGEL CLAIR)』だった。
ここからは1曲目の「青春の旅路(Traveling Boy)」、6曲目の「友に捧げる賛歌(All I Know)」がシングルカットされ、それぞれヒットした。ポールもいいけど、アートもいいねえ・・・と、リスナーは贅沢な想いを味わう幸福に酔ったに違いない。
「ひとりぼっちのメリー(Mary Was An Only Child)」
メリーはひとりぼっちだった
誰も彼女を抱きしめてあげたことがなかったし、笑いかけてさえあげなかった
彼女はトレイラーハウスで生まれ、みじめで、貧しかった
それでも、彼女は安雑貨店に置かれた宝石のように、キラキラ輝く笑顔をしていた
メリーにはひとりもともだちがいなかった
壁にピンで留めたスターたちだけが、彼女を見つめていた
でも、彼らは誰も安雑貨店に置かれた宝石のように、キラキラ輝く笑顔のメリーを見たことがなかった
もし、夜空の星を眺めることがあったなら
あなたは星々がみな等しく輝いているのがわかるだろう
そして、きっとそこに神様の姿を見ることだろう
私はそれを知らなければならなかったし
あなたは安雑貨店に置かれた宝石の存在に気づかなければならなかった (訳 TAO)
シンプルゆえにとても美しい曲。
訳はほとんど直訳なので、堅苦しい感じを受けると思う。
ただ、日本盤の訳が、あまり原文のニュアンスを伝えてないんじゃないかと思い、堅苦しくなるのを承知で訳してみた。
ボクは翻訳者じゃないし、これが正しい訳ではないのかもしれないのだが、正直、もうちょっと何とかしてよ、と・・・。
PS."only child" は、ただの子ども、とか、どこにでもいる普通の子どもの意味だと思うが、文のつながりを考えて、タイトルにもなっている "ひとりぼっち" をそのまま持ってきた。
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