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レイチェル・スイートに首ったけ [音楽]

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                 『FOOLS AROUND/Rachel Sweet』(1978 )   

 若い頃はだれでもマイ・フェイバリット・アイドルとでも呼ぶべき女性を持っていたりするものですな。
 今ならさしずめAKB48とかなんですかね。
 あれだけいれば誰か好みの娘に当たるだろうとは思いますが、う~ん、どうなんですかね。若くないので正直わかりません。
 
 ボクの場合、中学に入ったらすぐに洋楽だったので、そういうアイドルって、実はいなかったんですよね。
 そんな洋楽オンリーな嫌味なヤツにも、これはかわいいと思ったのが、レイチェル・スイート。
 時はニューウェーブ創生期。イギリスのスティッフというインディーズレーベルが注目を浴びていたのだった。その代表格がニック・ロウで、彼の歌う「JESUS OF COOL」は、粋で格好良かった! 

 そのスティッフレーベル唯一の女性だったのが、当時まだ15歳だったレイチェル・スイートで、顔というより、声に惚れましたね。顔ももちろんかわいいのですが、とにかく歌が上手い!
 それもアメリカ人なので、ニューウェイブでありながらカントリー・フレイバーを効かせた楽曲と、ちょっと鼻にかかった甘いティーンネイジボイスに、もう、たまらん! と、なった次第であります。

 全部で4枚のアルバムが発売になっている中で、やはりなんと言っても一押しなのがファーストの『FOOLS AROUND』。
 実はこのアルバム、米国と英国では収録曲とジャケットが異なり、ボクが手に入れたのが米国盤の方。CD化された現在では英国盤のみで、米国盤ジャケットは姿を消している。
 その違いは、ニューウェイブっぽさ(?)を出した英国盤に対し、チーンネイジポップを協調した米国盤といった図式だ。ちなみにカントリーに接近した「I Go To Pieces」は英国盤には未収録だったりする(これメチクチャいい!)。

 それに続いてよりニューウェーブ色というか、パンク色を全面に打ち出したのが2nd『Protect The Innocent』(80)。
 ダムドの「ニューローズ」とか、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの「ニューエイジ」とか、ツウ好みの名曲を含んだ話題作であったにもかかわらず、評判は芳しくなかった。どうやらリスナーが望んだのはファーストの方向性だったようで、可愛らしさをもっと全面に押し出して欲しかったようだ。
 ただ、方向性としては決して間違っていなかったと思う。少女から大人の女性へのイメージチェンジ戦略がそこに重なっていたので、早く大人になるのか、ゆっくり大人になるのかの選択だったわけだ。付け加えるなら、モノクロの強面のジャケットに対する拒否反応が、肝心の音の評価まで左右してしまったのではないか。

 その後、CBSソニーと契約し、ファースト時のイメージを取り戻そうとするかのような方向に進む。1981年に発表された『AND THEN HE KISSED ME』(81)がそれ。しかし、スティッフというインディレーベルと大手のソニーでは音作りがまったく異なり、やはりといおうか、時代の流れもあって、ぶ厚いメジヤーの音になってしまっていて、昔からのファンを失望させた。
 音も、ニューウェーブ~パンク系から、大味のアメリカンロックへ。悪くはないのだが、どうも今ひとつだった。
 続いての4作目は、時も80年代半ばになり、かつての少女は悪女路線にまたまた方向転換する。『Blame On Love』(82)は曲の大半をレイチェル自身が書いていて好感は持てるものの、ヒット曲ねらいのキャッチーなつかみに欠け、残念ながら凡作となってしまった。

 以降、シングルは数枚発表されたものの、アルバムには結実せず、今に至る。
 それに伴い、歌手より女優へシフトしていった。

 以上がレイチェル・スイートという、才能豊かな少女の物語。
 時は過ぎ行き、LPはCDへ。それでも彼女の残したアルバムは、今でもボクの手もとに存在し、聴き継がれている。
 数十年前も今も変わらぬ思いで・・・。


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