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崔健15年ぶりのライブ [音楽]

 急遽体調が悪化、喉が痛くてだるい。熱もある。
 医者は風邪の初期症状だと言う。
 だるいし、眠い。
 しかし、崔健のライブは今夜なのだ!
 どうする?
 子どもを質に入れてでも行く! と、嫁さんに宣言しているくらいなのに、試合放棄は意地でも出来ない。
 なので気力を振り絞って会場のある川口へ向かう。

                           ★

 会場の入口前の人だかりや会場内のロビーにたむろしている人たちの会話は中国語のみ。
 まったくいないわけではなかろうが、日本語は皆無。それでも座席について開始を待つ間に、周囲から日本語が聞こえてきたので、ホッとひと安心。

 開始前にアナウンス。
 「撮影はステージ開始15分までとします。それ以上は禁止」
 なる、通常の公演では考えられない嬉しいハプニング!!!
 さすが中国、いいねえ~。

                           ★

 オープニングは「痩人楽隊(そうじんがくたい)」。
 中国では現在最も人気のあるバンドらしい。それでも2001、2002年のFUJI ROCKに連続出演した経験あり。10年もやっていれば熟練してくるものだが、音は若々しい。ちなみにボーカルのダイチンはモンゴル族だそう。

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 次いで中国ロック界のカリスマ、崔健(ツイジェン)の登場。
 バックには煉瓦の壁に赤い星。
 「俺たちは赤い旗の下に生まれた卵だ!」
 アレンジは多少変わっているものの、力強いボーカルはCDで聞いたまま。いや、それ以上の生々しさに溢れ、生命力が噴出している。このボーカルの圧倒的説得力こそが崔健の崔健たる証でもある。

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 メンバーもどうやら変わっていないようで、何故かソロを弾かないエディ、ドスン、ドスン、と身体の芯に響くドラムの貝貝、太鼓が崔健サウンドの骨格でもある仨児、そして崔健サウンドの要、フリーキーなサックスが格好良過ぎる劉元!
 これらが密接に結びつき、凝縮され、一斉に放たれた時、音楽という名の奇跡が起きるのだ。

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 崔健の音楽は首尾一貫して変わりがない。
 中国人としての自分と対峙し、国に対する憎しみ、と同時に愛情、その狭間で揺れる自分の感情を吐露する。
 崔健は中国音楽の伝統を否定しないし、それどころか、自分の音楽にしっかりと取り込んでいる。それは自分の血であり肉である。母であり父である。しかし、息子はそこに留まっていてはならない。伝統とは革新の中からしか生まれ得ないことを知っているからだ。崔健の強さはそこにある。

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 香港が中国に返還されることを歌った曲と、所々に呼ばれた通訳が説明してくれた。
 時代は変わる、動く、ということを、中国人がまさに実感させられた歴史的事件だ。観光旅行と食べ物とアイドルスター(今では韓流スターに取って替わられてしまったが)にしか興味のない日本人には彼らの思いは推し量れないに違いない。まさにリアルなのだ!
 この曲はいつもステージに女性を呼ぶそうだ。なので、今回も女性がステージへと上った。それに加え、このブログへもご連絡を頂いた崔健のファンクラブの方限定で男性もOKとなった。この度の崔健の来日には並々ならぬ力添えをされたようで、再建がそれに感謝の意を込めての嬉しいプレゼント!

 終了は9時過ぎ。
 事前に配布されたプログラムにある途中の休憩が急遽なしに変更されるなど、予定通りにしないところがま崔健らしい。
 アンコールを一曲。会場に電気が点いてBGMが流れ出してからのもう一曲のアンコールもハプニング! 帰ってしまった人には申し訳ないが、力のこもった演奏に再度大興奮!!
 
 「転がる石(西洋)と転がる卵(中国)がいつかぶつかったら、卵が勝つ!」
 との力強い言葉に、幾多の苦難(過去、中国本土でもコンサートが中止に追い込まれたことが多々あった)を 
潜り抜けてきたことで身につけた自信と、これからは中国の時代だとの自負がそこからうかがい知ることが出来よう。中国のロックはまだまだ面白くなってゆく、そう思わせる言葉だった。

   
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s-caravan

はじめまして。ライブ、行きたかったです!来日コンサートを知ったのは終わってから…。遅すぎました。15年前は新宿の日清パワーステーションで
前から2列目でカブリつきで見れたんですが。再来日を待つしかないですねぇ。
by s-caravan (2010-05-18 17:07) 

TAO

初めまして。
ボクはたまたま読売新聞の埼玉欄を眺めていて、偶然発見しました。テレビ欄の裏側にでも広告を打ってくれたら分かりやすかったのですが。
そいれにしても15年前のライブにいらっしゃったとは、羨ましい限りです。ボクもアジア音楽祭か何かで来日した時のライブの様子だけはテレビで観ました。
それにしても今は韓流物ばかりで、中国はおろか香港の音楽事情もよく伝わってきません。
サンディ・ラムやフェイ・ウォンのアルバムがショップにドン! と並んでいた頃が懐かしいです。

by TAO (2010-05-18 23:49) 

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