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『四日間の奇跡』(浅倉卓弥) [書評]

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                  『四日間の奇跡/浅倉卓弥』(宝島社文庫)


 久々に、"素直な感動" という言葉を思い浮かべてしまった。
 本来はこのような無防備な感動物って嫌いなのだけど、嫌い嫌いと言いながら、でも、それなりに感動してしまう自分に、
 「ああ、ボクって、本当はいい人なんだよ・・・」
 と、自分を褒めてしまえる自分が好き、、、みたいな(オエ!)。
 (ちなみに自分にご褒美という言葉も大嫌い!)

 計算されてるんですね。感動に向かって、生真面目に物語を計算している。悪くはないんですよ、実際感動しちゃったりもするんだから。でも、どこか映画のシナリオを読んでいるような錯覚を覚えてしまうもの事実。
 物語の先行きは最初から100%分かっているの。分かっていながら、いや、分かっているからこその快感ってあるじゃないですか。くるぞ、くるぞ、と身構えながら、そらきた!!! とばかりに涙腺が緩んで、いい年した大人が(いい年しているからこそ?)、ポロッと一筋の涙を流す。そして柄にもなく、新聞の読者投稿とかしちゃったり・・・。
 
 なんか、書けば書くほど悪口言っているみたいで嫌だな。本当は、あざといけれども、けっこう良いよ~とか書くつもりだったのに。変だなあ・・・。どこで間違っちゃったんだろう??? だからヘソ曲がりとか、天邪鬼とか言われるんだよな。あ~あ。

 いちおうストーリーは、
 ピアニストとして羽ばたこうとした矢先、偶然遭遇した事件に巻き込まれて左手の薬指を損傷した主人公と、その事件で両親を亡くした脳に障害を持つ少女。彼女を引き取って面倒を見るうちに、彼は彼女の音楽的才能に気付き、自分の替わりにピアノを弾かせ、老人ホームへの慰問を行っている。
 ある老人ホームへ慰問に訪れた時に、そこに従事する女性が、かつての高校の後輩だったことが判明する。そんな時、落雷事故が3人の運命を大きく変えることになる・・・。

 ね? 感動は保証付きでしょ?
 
 PS.500ページ近くの量を最後まで読み切ったのだから、良い小説だと思います。今さらですが。



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