『日本現代アートの今を問う OUT OF DOUBT展 』 [アート]
夏季休暇が一日残ってしまっていたので、10月も末に、六本木の森美術館に出かけてみた。
ちなみに取得期間は7月~10月の間で4日間。家族旅行で2日、親類のお盆で1日は取得済。
正直、それほど切羽詰まった用事があるわけでもないのだが、無駄にしてしまうのももったいない話なので。
森美術館では、六本木クロッシング’2013と題して、『日本現代アートの今を問う OUT OF DOUBT展 』を開催中。
何だそれ? って、タイトルだが、要は日本を代表する若手アーティストの作品を一堂に会し、今、アートって、こんなことになってんですよ~! と、紹介する展覧会なのだ。
評価の定まった古典美術も良いが、アートの今を体感するならこれでしょうが!!
より表現方法が多義に渡り、逆にこれでなければいけないという呪縛から逃れたのが現代アート。しかし、その反面、なんでもありは、中心となる軸を消滅させる結果にもなった。
どこに規範があるのか?
それともどこにもないのか?
もしかしたら、今という時代は、改めて鑑賞者の心眼が試される時なのかも知れない。
驚くべきは、この展覧会、一部の作品を除いて、撮影OK。学芸員の方に尋ねたら、一般的な知名度がまだない若手が多いので、撮影の許可が容易に得られたと話してくれた。
なのでほぼ撮り放題なのだった。凄いねえ~。
展示会場はいくつかに分類されている。
<社会的、歴史的文脈の再訪>と題された入口の場所には、
こんな大きなオブジェ(?)が! 表から見ると衣服が雑多に貼り付けられていて、裏に回るとおびただしい数の椅子がせめぎ合う。
誰でもが良く知る渋谷の駅前も、どこか当時の戦争を皮肉ったような作品(版画?)になっていて、プロバガンダここにありといった様相に。
<ナンセンス>
マルクスと共産党員を扱った作品では、写真のような立体な物だけではなく、共産党員の方に実際にアプローチした映像を流す。
表では新宿と思われる風景が素早く切り替わる映像に、質問者と回答者のやり取りが字幕として表示される。しかし、その裏側では、マスクをした20代と思わしき男性や女性が、質問に答えている様子ている。が映される。その受け応えは表の字幕となって表れていたものだ。
ここでは、都市の一部でもある人間の暗部を炙り出すような質問が出され、答える側は、正体が隠されているので、日頃他人には絶対喋らない事柄までも答えている。「自慰」「レイプ願望」「強制的なセックス」「殺人衝動」といった回答を通して、剥き出しにされる人の心・・・。
<日本の自然観と不可視のエネルギー><ポストオブジェクト>
ひび割れた国旗だと思って近づいて眺めると、砂で出来た国旗と、ひびではなく、アリの巣のようなものだった。
島丸々アート化計画!!! 実現したら凄いだろうな。
未来へ向けて、漕ぎ出せ! このプロジェクトは現在進行中で、数年後には実施される予定だとか。
動物の映像の目の部分だけ、人間の目に換えた作品。写真下は実際に人間の目を撮影しているところ。
月面観測とか、そんな感じのオブジェ。張られた写真にはTHE BEATLESの文字も。
しわくちゃにされたハリウッドスターの顔。マリリン・モンローとか、ヘップバーンとかもある。
不思議な石のサークル。日本版ストーンヘンジか?
福島の震災は日本人にとってのターニングポイントだった。これ以降のアートは、この圧倒的な現実と否応でも向き合わざるを得ない宿命を背負う。アメリカ人にとってのグランドゼロと同等だろう。
江戸時代の切子細工を思わせる職人技の手仕事!
鋭角な三角柱に、心臓をひと突きされそうで怖い!
・・・と、まあ、ジャンルに囚われない多種太郎の作品が列挙されていて、飽きない。
途中、インド人(?)に、未来号と一緒に写真を撮ってくれと頼まれたりと、微笑ましい事態にも遭遇。
訪れたのが月曜日ということもあり、会場はゆったり回れた。普通、美術館は月曜日定休なので、オープンしているのは多分、ここだけ。
会場の雰囲気は、
↓
こんな感じ。
最後に、撮影可を良いことに、勝手に美術館の風景を切り取ってみた。
また、写真撮影可の展覧会をぜひ開催して欲しい。
なんか、自分も参加している感があるんだよねえ~。
※ 六本木クロッシングは、森美術館が3年に1度開催する「日本のアートを総括する試み」。
また、この展覧会は、森美術館10周年記念でもある。
2013年9月21日(土)-2014年1月13日(月・祝)まで開催。
コメント 0