SSブログ

『日本現代アートの今を問う OUT OF DOUBT展 』 [アート]

 003_512.jpg


 夏季休暇が一日残ってしまっていたので、10月も末に、六本木の森美術館に出かけてみた。
 ちなみに取得期間は7月~10月の間で4日間。家族旅行で2日、親類のお盆で1日は取得済。
 正直、それほど切羽詰まった用事があるわけでもないのだが、無駄にしてしまうのももったいない話なので。

 森美術館では、六本木クロッシング’2013と題して、『日本現代アートの今を問う OUT OF DOUBT展 』を開催中。
 何だそれ? って、タイトルだが、要は日本を代表する若手アーティストの作品を一堂に会し、今、アートって、こんなことになってんですよ~! と、紹介する展覧会なのだ。
 評価の定まった古典美術も良いが、アートの今を体感するならこれでしょうが!!
 より表現方法が多義に渡り、逆にこれでなければいけないという呪縛から逃れたのが現代アート。しかし、その反面、なんでもありは、中心となる軸を消滅させる結果にもなった。
 どこに規範があるのか?
 それともどこにもないのか?
 もしかしたら、今という時代は、改めて鑑賞者の心眼が試される時なのかも知れない。

 驚くべきは、この展覧会、一部の作品を除いて、撮影OK。学芸員の方に尋ねたら、一般的な知名度がまだない若手が多いので、撮影の許可が容易に得られたと話してくれた。
 なのでほぼ撮り放題なのだった。凄いねえ~。

 展示会場はいくつかに分類されている。

 <社会的、歴史的文脈の再訪>と題された入口の場所には、

 006_512.jpg
 008_512.jpg
 こんな大きなオブジェ(?)が! 表から見ると衣服が雑多に貼り付けられていて、裏に回るとおびただしい数の椅子がせめぎ合う。

 009_512.jpg
 誰でもが良く知る渋谷の駅前も、どこか当時の戦争を皮肉ったような作品(版画?)になっていて、プロバガンダここにありといった様相に。

 <ナンセンス>

 015_512.jpg
 マルクスと共産党員を扱った作品では、写真のような立体な物だけではなく、共産党員の方に実際にアプローチした映像を流す。

 013_512.jpg
 014_512.jpg

 表では新宿と思われる風景が素早く切り替わる映像に、質問者と回答者のやり取りが字幕として表示される。しかし、その裏側では、マスクをした20代と思わしき男性や女性が、質問に答えている様子ている。が映される。その受け応えは表の字幕となって表れていたものだ。
 ここでは、都市の一部でもある人間の暗部を炙り出すような質問が出され、答える側は、正体が隠されているので、日頃他人には絶対喋らない事柄までも答えている。「自慰」「レイプ願望」「強制的なセックス」「殺人衝動」といった回答を通して、剥き出しにされる人の心・・・。

 <日本の自然観と不可視のエネルギー><ポストオブジェクト>

 020_512.jpg
 ひび割れた国旗だと思って近づいて眺めると、砂で出来た国旗と、ひびではなく、アリの巣のようなものだった。

 022_512.jpg
 024_512.jpg
 島丸々アート化計画!!! 実現したら凄いだろうな。

        027_512.jpg
 未来へ向けて、漕ぎ出せ! このプロジェクトは現在進行中で、数年後には実施される予定だとか。

 037_512.jpg
 038_512.jpg
 動物の映像の目の部分だけ、人間の目に換えた作品。写真下は実際に人間の目を撮影しているところ。

 040_512.jpg
 月面観測とか、そんな感じのオブジェ。張られた写真にはTHE BEATLESの文字も。

        047_512.jpg
 しわくちゃにされたハリウッドスターの顔。マリリン・モンローとか、ヘップバーンとかもある。

 049_512.jpg
 不思議な石のサークル。日本版ストーンヘンジか?

 054_512.jpg
 福島の震災は日本人にとってのターニングポイントだった。これ以降のアートは、この圧倒的な現実と否応でも向き合わざるを得ない宿命を背負う。アメリカ人にとってのグランドゼロと同等だろう。

 051_512.jpg
 江戸時代の切子細工を思わせる職人技の手仕事!

        060_512.jpg
 鋭角な三角柱に、心臓をひと突きされそうで怖い!


 ・・・と、まあ、ジャンルに囚われない多種太郎の作品が列挙されていて、飽きない。
 途中、インド人(?)に、未来号と一緒に写真を撮ってくれと頼まれたりと、微笑ましい事態にも遭遇。

 訪れたのが月曜日ということもあり、会場はゆったり回れた。普通、美術館は月曜日定休なので、オープンしているのは多分、ここだけ。
 会場の雰囲気は、
   ↓
 048_512.jpg

 こんな感じ。

 最後に、撮影可を良いことに、勝手に美術館の風景を切り取ってみた。

        052_512.jpg
 055_512.jpg

 また、写真撮影可の展覧会をぜひ開催して欲しい。
 なんか、自分も参加している感があるんだよねえ~。


 ※ 六本木クロッシングは、森美術館が3年に1度開催する「日本のアートを総括する試み」。
   また、この展覧会は、森美術館10周年記念でもある。
   2013年9月21日(土)-2014年1月13日(月・祝)まで開催。



nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:アート

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

LOU REED IS DEADじゃがいもと甘ゆず味噌 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。