刑事コロンボ第24話『白鳥の歌』 [刑事コロンボ]
『白鳥の歌(SWAN SONG)』
カントリー界の大御所、ジョニー・キャッシュ主演の名品登場!
タイトルも『白鳥の歌(SWAN SONG)』とは、まさに絶妙なネーミング。
STORY⇒カントリー&ウエスタンのコンサート、歌うは今や飛ぶ鳥を落とす勢いのトミー・ブラウン。しかし、彼には悩みがあった。妻であり、宗教団体「魂の十字軍」を主催するエドナに、コンサートで得た莫大な金額を押さえられ、彼のもとにはほとんど残らないことだった。それというのも、刑務所に収容されていた彼を、結婚と服従することを条件に救い出したのがエドナだったからだ。
そんな境遇に耐え忍んできたトミーも、すでに我慢の限界に達していた。次のコンサート会場への移動に使う自家用セスナ機を事故に見せ掛けて墜落させ、自分だけパラシュートで脱出する計画を立て、実行に移す・・・。
ジョニー・キャッシュも刑務所でのコンサートのライブ盤を発表していることを考えると、結構裏読みも出来たりして。昔は他のアーティストも同様のアルバムを発表していて、ブルースのB.B.キングもそうだった。
後年、枯れた味わいの「アメリカン・ソングブック・シリーズ」を発表し、大絶賛されたことも記憶に新しいが、ここでは若々しく張りのあるテナー・ボイスを披露してくれていて、思わず聴き入ってしまう。
トミー・ブラウンは妻の殺害に成功し、自由の身になった。元来の派手好き、女好きな性格がそれによって一気に加速するものの、根っからの悪党ではない。もし妻のエドナが狂信的な信仰を持っていなければ、それなりに折り合いをつけて、結婚生活も破綻なくいけたんではないだろうか。
最後の最後でコロンボに犯行の動かぬ証拠を押さえられた後、傑作『別れのワイン』を彷彿(ほうふつ)とさせるエンディングが用意されているのも、コロンボが犯人と心情的にリンクした場合にのみ用いられる粋な計らいだろう。
「こんな風に歌える人に、悪い人はいません・・・」
そう犯人に告げるコロンボの眼差しは、慈愛に満ちていて限りなく優しい。
2008-11-11 00:06
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コメント(2)
うは~~!!これ、観ていないかも・・・??
っていうか、『別れのワイン』以降はほとんど記憶にないよ。。(涙)
今週、借りて観ます!!
コロンボは、やっぱり好きですね~
時間的にも適当だし、駄作みたいなのでもそれなりに面白いもんね。
カントリーも久々聞きたくなりました♪
by みん姐 (2008-11-11 09:14)
カントリー嫌いなワタクシでも、ジョニー・キャッシュはいいと思います。
低音の歌声からは男の哀愁が漂い、とくに後期は凄みさえ加わり、格別な味わいがあります。
機会があったらぜひ聴いてみて下さい。
内容的にもなかなか見どころ満載で、シリーズ中でも上位に入る作品でしょう。
この作品あたりから75分ではなく、95分の長さになって行きます。
by TAO (2008-11-12 21:24)