『Jの神話』(乾くるみ) [書評]
『Jの神話/乾くるみ』(文春文庫)
『イニシエーション・ラブ』があまりにも有名になってしまい、一人歩きしている感もなくはない作者の、これはデビュー作とな。
全寮制カトリック系女子高を舞台した殺人事件という設定に萌える人多し???
まあ、これはこれで定番ではあるし、実はけっこうこういった設定って嫌いじゃないので、楽しんで読めました❤❤
とはいえ、後年の時間をパズルのように操ったタペストリー作品である『イニシエーション・ラブ』の萌芽が見られるかというと、それはそれ、これはこれ。はっきり言ってぜんぜん似てない。まあ、それはそれで構わないのだけれど。
ボクは呆気に取られながらも、こなれた文章ゆえ、サクサクと先に進めて、でも、ところどころ、マジですかあ~~と、思いながらの読書感がこそばゆかったりもして(笑)
だって、一見、女の園で起きた殺人事件ながら、途中からメディカル・ホラーの様相を呈し始め、果てはエログロ小説もどきの描写が笑える珍作、そう、まさしく珍作!!!
意図的にやってるの? と、ついチャチャを入れたくなってしまう、突っ込みどころ満載のこの作品、いちいち腹を立てないで、なすがままにその身をあずけちゃった方がいいよ~と、そう思う次第です。ハイ!
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