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『お熱いのがお好き』 [映画]

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                『お熱いのがお好き(Some like it hot)』(1959年)


 晴れての地デジ化以来、それまでほとんどテレビを見なかったのに、急に見たい番組が増え、大変なことになっています。
 『東京JAZZ』では、まさかのロバータ・フラックのライブを観れたり。それもハイビジョンで。
 また、ディープパープルの「スモーク・オン・ザ・ウォーター」が出来上がるまでの奇想天外な物語を紹介したり、ジュリー(沢田研二)のスタジオ・ライブを放送してくれたりと、無料(NHKの受信料は払っていますが)でここまでやってくれたら文句はありません!

 そうそう、映画の充実も地上波の比ではありません。
 連日、それも2作品は放映していますから。それもマニア心をくすぐる、50年代~70年代の懐かしの名画が多いのが特筆もの!!
 そんなわけで、昔観たこの映画も、やっぱり観ちゃいますよ、改めて。

                            ★

 『お熱いのがお好き』は、マリリン・モンローの代表作として、誰でもが知るところとなっています。
 モンローというと、とかくセクシー女優の代名詞のように思われがちですが、もちろん、そんな一面もありはしますが、それよりも、とにかくかわいいの! 
 男運<?)が悪く、というか惚れっぽく、なので入る楽団、入る楽団、次々にサックス奏者に惚れてしまい、でも、最終的には関係が長続きしないまま終わってしまう。落ち込んでいると、すぐに次の相手が現れて・・・の繰り返し。
 また、酒禁止なのに、ストッキングに忍ばせてこっそり飲んじゃったり、で、元来、人を信じやすいたちなものだから、自分の悩みをあけっぴろげに他人に相談したりもしちゃう。
 ギャングに追われて女装して楽団にもぐり込んだジャック・レモンもトニー・カーティス(合掌!)も、こんなスキだらけのモンローが目の前にいたら、そりゃあ何とかしたくなるってものでしょうが!!!

 それにもう一つ、脚本、監督のビリー・ワイルダーの、細部まで神経の行き届いた演出の見事さ!
 追われることになるギャングのボスが履くスパッツ(足袋に似ている)をオープニングで強調することによって、ボスを映さなくともそこにボスの存在を強烈に観客に印象付ける上手さには、つい、お見事!! と、声をかけたくなってしまう。
 すべてが無駄なくつながっている脚本の妙は、絶賛してもし切れるものではないだろう。
 そして粋な、いや、笑わずにはおれない意表を突くエンディング!!!
 まったく見事なものである。

 映画の一番良い時代の、最良の作品であるのは間違いないところだ。

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『バイオハザードⅣ~アフターライフ~』 [映画]

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 10月半ばの3連休。
 イケメン君は、最近ハマっている<はやぶさ>が、プラネタリウムに初登場すると、喜び勇んで多摩六都科学館へ。付き添いで嫁さんが同行。
 残された娘とボクは、
 「じゃあ、『バイオハザードⅣ』でも観に行こうか?」
 となり、テレビで過去の作品を連続放映していたのに釣られて、出かけたのでした。
 年齢制限とかなかったっけ?
 ちょっぴり不安だったものの、どうやら大丈夫だったようで、無事チケットを購入することが出来ました。
 それにしても小学生の姿もけっこうあったりして、エロはないけど、銃の乱射でゾンビがバタバタ死んじゃうのはOKなのかなあ・・・と、ちょっぴり首をかしげてしまった。

 恥ずかしながら、実はシリーズ全部を観ているボクは、いったいなぜ観ちゃうのか自分でも理解不能なのだ。正直、それほど面白くもなかったりするし。
 まあ、ミラ・ジョボヴィッチの太腿見たさから始まったのだから、最初から内容にはそれほどこだわってはいないのだけれど。それでも3作目は以外に面白かったので、ちょっとはこの4作目に期待を抱いてもいたりもしていた。

 舞台は東京。渋谷の地下に巨大なビルを所有するアンブレラ社にアリス(ミラ・ジョボヴィッチ)が侵入する。銃を乱射する敵に対し、銃と背中に刺した日本刀で対抗。前回の最後で出会った自分のクローンを軍団にし、次々と敵をなぎ倒すシーンは圧巻。ストレス発散にはまさにうってつけなのだ。
 それから舞台はハリウッドに移り、街中に溢れるゾンビの群れからの逃走劇へと雪崩れ込んで行く。目指すは巨大船舶「アルカディア号」。

 今回はスローモーションを多発し、『マトリックス』ばりのアクションシーンや、ゾンビ犬の姿は、かの裏SFの名作『遊星からの物体X』を彷彿させたり、パクリっぽいところもあるにはあるが、とりあえず映像で見せる、見せてナンボの精神は買いでしょう。
 欲を言えば、もう少しミラ・ジョボヴィッチのエロ姿を拝ませてもらいたいところ。3作目にあった "胸ポチ" シーンのような "そそりもの" が欲しい。と、中年の内なる願いもついでに書き記しておこう。

 で、ラストはもしかして・・・の、この期に及んでの続編を匂わすと言うか、まんま続編に雪崩れ込みそうな勢いに、
 「こりゃあ、まだまだ作られるなあ・・・。」
 ボクとしては、ミラ・ジョボヴィッチが『ターミネータシリーズ』のリンダ・ハミルトン並みの筋肉質にならないことを祈るばかり。

PS.そうそう、3D対応なので、いろいろなものが飛んで来ます!



                            おまけ ↓


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『インセプション』 [映画]

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 今、話題の映画『インセプション』を仕事帰りに観てきた。
 トレンドや流行りものにはとんとうとい性質(たち)なので、世間様の話題からほとんど蚊帳の外だったりするのだが、面白いとか言われると、ちょっと覗きたくなってしまうのも事実。予告編も面白そうだったしネ。

 話は特定のターゲットの意識の中に入り込んで、そこから秘密を盗むというもの。
 詳細はどこぞの紹介文でも読んで下さい。
 
 観る前はかなり複雑そうな話だなぁ・・・と、ちょっと警戒していたのだけれど、いやいや、かなりシンプルな話だったので、??? と、正直、煙に巻かれた感じがしなくもない。
 「夢はそれが夢だと気づくまでは現実そのものである」
 とは、昔からSFでは常套句として使われ、SFの世界を成立させるための大前提みたいなものだから、まあ、当たり前。
 ただ、設定が単に相手の夢の中に入るのではなくて、夢そのものを "作り込む" というのが興味深くはあった。
 具体的なイメージを組み立てる「設計者」、夢の中の登場人物に成り切る「偽装師」、夢の世界に導くための麻酔薬を配合する「調合師」等を含むチームという形で仕事を遂行するのは予想していなかったので、同時期に公開される『特攻野郎Aチーム』のSF版かいな? とか、まったく的外れなことまで一瞬考えてしまった。

 夢も単なる普通の夢ではなくて、ターゲットをだますために、夢の中で再現されるもう一つの夢だったり、夢が複数の階層に渡って展開されたりもするのだが、それぞれの階層は誰が観ても分かるようにしっかり区分けされているので、迷うこともない。パソコンのスタートメニューからエクスプローラを開いて、階層分けされたフォルダを探せる人ならなんの問題もないかと(笑)

 (以下、ネタバレはないけど、物語の核に触れる箇所あり)

 偏見的極論を言ってしまえば、ディカプリオによる地獄巡りかよ・・・と。  自分のせいで自殺に追い込んでしまった奥さんが存在意識の中で幽霊となってとりつき、それを振り切るまでの話が縦軸として存在しているのだ。
 なので横軸(映画のストーリー)もしょせんそのための補完材料と成り下がってしまい、結局、そこからは抜け出せないのか・・・と、ちょっと残念に思わずにはおれない。

 (終了)

 ラストは解釈の違いを楽しめるような描き方をしていますが、これもどうというほどのこともないでしょう。
 だって・・・ねえ(笑)
 それ以上はここでは言えませんよね。

 結論は、フィリップ・K・ディック的世界観に『惑星ソラリス』的媚薬を少々まぶした感じの映画と思って観たら、まあ、よろしいんじゃあないでしょうかね。
 巷の評価の7割くらいという認識を持っていたら、十分楽しめるとは思います。

 PS.もう一度、『ソラリス』、観てーっ!!!

 
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『エアベンダー』(3D版) [映画]

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 なにげなく劇場の予告編を観ていたら、坊主頭の少年が<気>を操って敵と格闘しているシーンに、
 「また子ども向けのディズニーメイドかな?」
 と、高を括っていたら、監督が、な、な、なんと、我らがシャマランではないか!!!
 『ハプニング』以来の新作に、
 「ええい、止めるでない、行かねば、行かねばな~る~ま~い~!」

 で、公開を指折り数え、3D対応の劇場をチェック。ついでに鑑賞券も購入。
 《新宿ミラノ座:最終7時30分》
 平日、仕事終わりの6時を待って退社。時間があるのでつけめんの「まる一」で塩つけめんを食べ、コンビニで飲み物を購入。万全の体制で、いざ行かん、関が原!!

 気合を入れまくって向かったものの、劇場側はいたって安泰で、公開してまだ間がないのに、空いている。同じ新宿にも同時で上映している劇場があるものの、確かあそこは3D対応じゃなかったはず・・・。
 それでも久々に前の方に陣取って、3Dの恩赦をダイレクトに受けるべく身構える。
 「さあ、いつでもかかって来なさい!」 
 
                            ★

 STORY:世界に4つの王国あり。<気・水・土・火>がそれである。それぞれの国には特殊な力を操る「ベンダー」と呼ばれる能力者が存在し、国を束ねていた。しかし、互いに共存していた4国の中で、<火>の国が反乱を起こし、他の国を次々に征服し始めた。
 それから100年後、<水>の国の辺境に住むカタラは<水>の力を操ろうと練習するが、どうも上手くいかない。そんな時、氷の下に何かがあるのを発見し、それを手繰り寄せると、氷の塊の中から少年と奇妙な生き物が現れた。彼の名はアン。<気>を操るベンダーで、100年前、<4つの気を操り、世界を救う者=アバター>となったにもかかわらず、自分の国から逃げ出したのだった・・・。

 デビュー作であり、映画史に燦然と輝く傑作『シックスセンス』以降、次々と問題作を発表し、その度に評価を上げるどころか下げてきた(笑)シャマラン監督の最新作は、ミステリーから離れ、初の冒険ファンタジーとなった。原作が子ども向けのアニメなので、小難しいことはせず。割とフツーな映像となった。正直、あまりシャマランらしさが感じられないのだ。この前観た『タイタンの戦い』とどこが違うのよ !? と、、、。
 最近話題の3D映像も、最初は喜んで観てはいるものの、それは始まってせいぜい20分くらいなもので、それ以降は馴れてしまい、特に3Dを意識することなしに観ていたし。これは『アバター』の時も同様。世間では3Dで盛り上がっているようだが、あまり見るべきところはないのではないだろうか?

 それでも、自在に<気>や<水>を使った戦闘シーンはそれなりに迫力はある。ただ、もうちょっと多彩な使い方があってもいいとは思うが。

 唯一、手放しで喜べるのは、アバターとなるべく運命を授かった主人公アンで、クリクリ頭がかわいい。そして、<気>と新たに身につけた<水>を扱う太極拳風の彼の舞(型)は、眺めているだけで美しい。これは<水>を操るカタラと並んで同じ動きをした時の違いを見れば明らかだ。

 ところで、どうやらこの作品は3部作(?)らしく、火の国が水の国に攻め込んで来て、それを追い返すところで話が終わってしまう。まだ<土>と<火>を操れるようにならねばならないので、先は長いのだ。
 続きがあるなんてどこにも宣伝されてなかったので、本当は大作なのに、そう感じられないのは宣伝ミスか、それともそれをアピールしてしまうと逆効果と判断したのか、なんだかすべてがとても中途半端な感じに終始してしまったのは、返す返すも残念だ。

 仮にどんなに駄作でも、シャマランファンは劇場に駆けつけずにはおれない習性。裏切られ続けてはや10数年、今回も見事期待を裏切ってくれーっ! と、マゾヒスティックにエールを送る我々なのであった。当然、続編も期待しています!!!(笑)


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『スパイモンキー』 [映画]

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                     『スパイモンキー(SPYMATE)』


 冷静になって振り返ると、こんなような映画ばっかり観ているなあ・・・。
 フッと時々素面(しらふ)になると、自己反省も込めて、そんな思いに囚われることがある。
 こんな、とは、B級コメディか、B級ホラー(ホラーにA級がなくなって久しいが)という意味だ。

 聴く音楽は誰も知らないようなマイナー、読む本のジャンルもバラバラ、とくれば、その人となりの実像がおおよそ推測出来るというもの。それからすると、さしずめワタクシなぞ、<いい年こいて天邪鬼>という、固茹で卵も逃げ出す食えないヤツの筆頭だろう。あ~、嫌だ、嫌だ。
 時には流行の最先端を切って、王道路線を突き進みたいとは思うのだが、、、いや、思わないや!!

 愚痴はこれくらいにして、今回の映画は、家族で楽しめる娯楽映画、『スパイモンキー』。

 STORY:元スパイのマイクは愛する妻を亡くし、今では娘のアメリアと二人の生活。一方、彼のスパイ時代の相棒であるチンパンジーのミンキーは、スパーモンキーとしてサーカスの人気者になっていた。
 ある日、アメリアの発明したレーザードリルが賞を取ることになり、国際的に有名な科学者であるファーレー博士と授賞式に対面する。ファーレー博士は密かに地核のエネルギーを利用した実験にアメリアを引き込もうとしていた。それに感づいたマイクは、元相棒のミンキーと、元ファーレー博士の片腕の美人科学者とともに、アメリアを救出に向かうのだった。

 ちょっぴりおマヌケな敵役、美人で優しい助っ人、愛嬌のある動物、見るからにかわいい娘、そして家族愛、etc...。
 絵に描いたような、定番といえばあまりに定番なSTORY設定と、登場人物たち。本来ならオイオイ! と、突っ込みのひとつも入れたくなるところだが、いやいや、これは家族で観るファミリー映画。そこを突くのは野暮というものでしょう。
 そういう意味ではよく出来た映画。とてつもなく頭がいいのに、父親思いで、なおかつかわいい娘なんて、まさに理想ですな。我が家の娘にぜひ観せてあげたいものだ(週末の早朝、いつもながら一人で観たが)。

 中盤から舞台が日本に移るのだが、どう見ても日本ぽくないのはご愛嬌。

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『告白』 [映画]

 原作を読んだ取引先の女性からは面白かったと聞かされ、映画を観た同僚からも、同じ言葉を耳にした。
 公開以来ダントツの興行収入、週末はおろか、夜の回もかなりの混雑らしい。それに輪をかけて原作が、な、なんと、200万部! これはもう社会現象と言って差し支えないだろう。

 娘と『タイタンの戦い』を観に行った時に予告編を目にして、確かに不思議な雰囲気を持った映画だなあ・・・と思った。中2の娘はちょうど自分と同じ年齢の子どもたちの、それもいじめの描写が映し出されたものだから、とても嫌な顔をしていた。確かに当事者にとってはリアル過ぎて辛い描写だろう。実際、娘の通う中学校は周囲から荒れていると評判になっているし。

                              ★

 だが、映画を観ると、クラスの生徒同士のいじめのシーンはそれほどなく、題材もそれを主題にはしていない。
 主題は娘を殺された女教師(松たか子)の、犯人に対しての復讐譚に絞られていて、
 君のことをわかってくれる熱血教師・・・
 不良も実はいい子・・・
 最後は団結・・・
 みたいな、昔から面々とつらなる嘘臭い学園ドラマを小ばかにするかのような辛らつさが、はっきり表に出ていて、これまでとは完全に一線を画している。
 10年ひと昔、いや、40年ひと昔か、いったいいつまでアホドラマを続けるんだよ? と相も変らぬカビの生えた熱血ドラマに個人的にはうんざりしていたので、この内容にはしてやったり! と、あっさりとうなずけてしまった。
 ボクも中学生を持つ親の一人として、緊急臨時保護者会に夜の7時に嫁さんと出かけたりしたこともあるので、教師と生徒を取り巻く現実はそんな甘くないよと。《本来、子どもとは純粋無垢な存在》を信じたい世間一般に対して、それは理想かもしれないが、しかし、現実はそんな場合じゃないという事実。

                              ★

 学校のプールで溺死した女教師の幼い娘は、しかし、単純な事故死として処理されてしまう。
 今学期限りで教師を辞める彼女は、冷静に事件の様子を生徒の前で語り、自分が辿り着いた真相を披露する。個人名は出さないものの、クラス全員と観客にはそれが誰だか、始まってすぐに判明してしまう。映画が犯人探しの物語だとばかり思っていた者は、意表を突く展開に、? と首を傾げることになる。
 そこから女教師の犯人に対する復讐、それもあからさまに何かを仕掛けるのではなく、真綿でじんわり首を絞めるが如く、将棋の駒を動かすような次の一手を仕掛けるのだ。後は犯人自らの自滅を遠くから眺めていればよい。

 劇薬で両親を殺害しようとした現実の事件等を模したエピソードと、それに感化されている少女と犯人との心の交わりを描き、一服の清涼剤と見せ掛けておいての最終的なケリのつけ方や、ラストの女教師がつぶやく一言が、いったいこの作品とは何なのかを強烈に提示する。どこぞの首相じゃないけれど、最後までブレないのである。まさしくアッパレ!

 映画は(たぶん)原作の持つ世界観を変に湾曲せず、それどころか、さらに映像表現の特質を最大限に生かして作られている。それは統一感のある画面の色彩であったり、何気なく挟み込まれたショット、唐突に歌われる「That's the way/by K.C & The Sunshine Band」の高揚感、家の壁の色の白さ、徐々に白さを増す女教師のメイクであり、時間を遡る時計であったりと、様々なシーンが計算され尽くした上で観客に提示されているのだ。
 それに加え、音楽が静かな音で絶えず鳴り続けているのも、これまでの日本映画にはなかった手法で、例えればデビッド・リンチ的とも呼べる音の連なりが、画面との相乗効果を大いにもたらしていたのもここに記しておくべきだろう。
 
 昔、『黒い家』という小説を読んだ時に感じた、何やら得体の知れない、背中をジワジワと這い登ってくるような恐怖感と同等なものを、この『告白』を観て感じてしまった。
 わが娘を失ったかわいそうな女教師が、復讐(それも大げさに騒ぐのではなく、静かに潜行するような)の過程で、次第に死に神のような不気味さを露にしてゆく・・・。

 娯楽的要素の薄いこの作品が大ヒットするのは、内容からしたら正直驚きに値する。
 で、観終わった方、特に若いカップルにぜひ感想を聞いてみたいと思う。
 「ところで、せっかくのデート、台無しにならなかった?」

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『THE COVENANT 幻魔降臨』 [映画]

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                        『THE CONVENANT 幻魔降臨』


 劇場未公開映画を観る楽しみは、思わぬ掘り出し物に出会うこと。
 「あっちゃ~!」
 ってなことも時にはあるけれど、逆に、
 「これ、けっこういいじゃない!」
 という場合も多々あったりします。

 この『THE CONVENANT 幻魔降臨』は、和洋折衷な訳がわからないタイトルとは裏腹に、青春サイキックミステリーとでも呼ぶべき内容の佳作。

 STORY:魔女の系譜を受け継いだハイスクールの男子学生4人組は、人間とは比べものにならないくらいの協力なパワーを受け継いでいた。
 血気盛んな年頃ゆえ、時に羽目を外して暴走してしまったりもするが、基本的には自分たちの能力を隠しながら暮らしていた。それというのも、能力(サイキックパワー)をむやみに使いすぎると、肉体の老化を引き起こし、若くして老人のようになってしまうからだった。
 転校生のサラ(ローラ・ラムジー)は、そんな4人組の中のリーダー格であるケイレブ(スティーヴン・ストライト)に好意を寄せる。ケイレブもサラに惹かれるものを感じるのだが、そんな時、野外パーティで能力者に殺されたとしか考えられない殺人事件が発生する。どうやら事件の裏には、別の転校生であるチェイス(セヴァスチャン・スタン)の影がちらつくのだが・・・。

 アメリカ映画でよく目にするパーティ(ここでは野外)に集う高校生たちの若々しい姿には、なぜか無条件に憧れてしまう。彼らほど楽しい高校ライフを送れなかった者としては、内心羨ましくてしかたがない。格好いい車(父親のだが)を運転し、助手席にはガールフレンド、後部席には友達とそのガールフレンドの4人でのダブルデートなど、ジャパニーズ高校生には実現不可能な話なのだから。

 STORYを読んでいただければおわかりのように、最初はホラー好きなワタクシの色眼鏡で観ていたのだが、期待はいい意味で裏切られ、特殊な能力を授かったケイレブと転校生のサラが惹かれあってゆく初々しさは、青春映画の王道と言ってかまわないほど、魅力的だ。
 特にサラはかなりの美人で、彼女の一挙一動を眺めているだけで、つい心がワクワクしてしまうほどだ。
 それに加え、ラストはケイレブとチェイスの一騎打ちもなかなか魅せるし、次につながるようなエンディングもこの手の作品には定番なのだが、確かに続きを観たい気持ちにもさせられるのですんなり受け入れられる。


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                            惚れたぜ!!!
 
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『ラン・ファットボーイ・ラン』 [映画]

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                       『Run Fatboy Run』(2007)


 <GW、一日一本、観ようぜ映画キャンペーン!>でのお話。
 今日は、題材はモロ、アメリカ映画っぽいけれど、実はイギリス映画という変り種。
 そう考えて本編を眺めれば、確かにミョーにイギリスっぽいキャラがいたりするもんね。
 劇場未公開なれど、これは面白く観れました!

 STORY:妊娠中の彼女との結婚式をトンズラして以来、デニスはダメダメ君路線を一直線。
 現在は高級そうな洋服店の警備員として働いているも、しかし、やる気なし! 股間がムズ痒くなれば、ナニをこっそりマネキンに擦りつけて、ああ、いい気持ち~。って、客にバレてんじゃん!
 そんな彼ではあるが、捨て置いた彼女のことが気になる日々を悶々と過ごしておりました。
 あれから5年・・・。ある日、IT企業に勤めるいけ好かない野郎が、彼女を見初めてプロポーズ。今度こそ彼女とよりを戻そうと決心した矢先だったので、失意のどん底に落とされた気分。なんとしても彼女を取り返さなくては! そう決心したデニスは、彼女の恋人ウイットが出場する市民マラソンに無理矢理登録。スタートこそ順調に切ったものの、性根の悪いウイットに妨害され、転倒。万事休すと思われたのだが・・・。

 突き出たお腹をプルンプルン揺すりながら、マラソン出場の為、馴れないトレーニングをするところなど、他人事とは思えません! 全国3000万人(?)のメタボ症候群の我々には、とてもじゃないが笑えません、ハハハ、、、。
 それに彼女とは別れても、生まれたきた子どもは自分の子どもなので、一緒に出かけたりはするんですね。だから、必然的に彼女の関係が断ち切れになっているわけでもない。断ち切れになっていない分、余計に未練が増してしまうというわけ。

 一度捨てた彼女がアメリカ映画でもないのに黒人(肌の色は薄め)なのは、イギリスには黒人(ジャマイカ人やインド人も)も大勢いるから、特別珍しくもないのかな?
 また、デニス以上にいい味を出しているのが、彼の友人で、定職もつかずに昼間から仲間と賭け事をやってるダメ男。それもデニスがマラソンを完走出来るかを賭けの対象にしちゃうんだから、なんだかなあ~。でも、強烈にイギリス臭さを漂わせているのがまんま個性になっている。

 結果は想像がつく通り。
 それでも嫌味もなく納得させられるのは、作品がしっかりと作られているからではないでしょうか。 

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『タイタンの戦い』 [映画]

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                             『タイタンの戦い』


 この日は<嫁さん&イケメン君>と、<TAO&娘>に分かれての行動となった。
 <嫁さん&イケメン君>は、念願の鉄道博物館へ。一方、我々は『タイタンの戦い』を観に映画館へ。

 なぜ『タイタンの戦い』かというと、娘が一時、『世界の神々がよくわかる本』とか『天使と悪魔がよくわかる本』(共にPHP文庫)なんかを読んでいて、ゼウスとかハディスとかが登場するこの映画なら楽しめるんじゃないかなと考えたから。娘は、放っておくと、一日中ダラダラ過ごしちゃう性質なんで、ちょっとは身体を動かせよ!、、、と。
 とにかく一回目の上映時間が9時とかなので、いつも異常に早起きして、8時には家を出る強行スケジュール。でも、その分、混雑してないからいいでしょ?

STORY:神の横暴に我慢ならず、反乱を起こした人間を懲らしめるため、創造主ゼウスは冥界の王である兄のハデスを地上に送る。神々への尊敬の念を忘れた愚かな人間どもを懲らしめよというわけだ。
 ゼウスが人間の王女を身ごもらせて生まれたのがペルセウス。彼は人間の漁師の子として育てられた。しかし、ハデスによって育ての親と妹を殺された彼は、復讐を誓う。しかし、ハデスによって告げられた「クラーケンを放つ」の言葉に人々は恐怖する。クラーケンを倒す方法はメデューサの見た者を石に変えてしまう魔力しかないと聞いたペルセウスは、仲間と共にメデューサの住む廃墟へと向かうのだった・・・。

 神々の話をあまり知らないボクでもけっこう楽しめたので、内心ホッとした。
 まあ、CGありきのスペクタクル映画なので、基本はあくまでエンターテインメント。ゆえに知らなくっても大丈夫だよ~とな。
 それでも人間(ペルセウスは半神)VS神様という設定には、なぜか心をワサワサと揺らせる何かがある。子どもの頃にテレビで観たレイ・ハリーハウゼンが手がけた、60~70年代の特撮映画を知らず知らずに想い起こさせるからだろうか?
 映像も素晴らしく、CG部分もそうだが、ロケ地も雄大で、これだけでもつい唸ってしまう。
 これなら他の神々のエピソードだって色々とあるだろうから、そっちの方もぜひ観てみたいと思う。スケールの大きなファンタジー映画って、ここのところなかったからね。ただ、全体的にちょっとこじんまりとまとまっちゃったかなとは思う。そこが少々残念。

 PS.男臭いこの映画で、主人公ペルセウスを陰日なたとなって助けるイオ役のジェマ・マータートンがいい。日焼けした赤黒い肌の男たちの中、唯一女性らしい白くて柔らかな肌をしているのだ。これだけで十分イケます!!!(結局、好みの女の人がいればいいわけ?)

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『マックス・ペイン』 [映画]

 早朝映画継続中、、、ただ早起きしちゃうだけなんだけど(笑)

 さて、今朝の映画は『マックス・ペイン』。
 観た人の話だと、すべてにおいて中途半端! という、あまりよろしくない評判をいただいております。
 
 STORY:NY市警のマックスは妻と子どもを何者かに殺され、その主犯格を独自で捜査していた。
 やっとたどり着いた手がかりとなる人物は、しかし、次々と殺されてしまい、その容疑が自分に及んでしまう。それでも、事件の背景に麻薬がからんでいることを頼りに、執拗な捜査を続けるのだった。
 元同僚で、今は引退して製薬会社の役員となっているB.Bは、逸脱した個人捜査を行うマックスを心配し声をかけるのだが・・・。

 全体的に深みのある青を基調にした映像は『ウォッチメン』あたりを思い出させる出来で、ハードボイルド風な味わいをかもし出すのには成功している。
 しかし、観終わってまず頭に浮かぶのは、すべてにおいて中途半端と言った人間の言葉。まったくその通りで、銃撃戦も多々あるが、これでもかと雨嵐の如く撃ちまくるわけでもなく、奥さんと子どもがなぜ殺されたのかの謎も、取って付けたような感じ。
 まったく分からないのが、ジャンキーだった妹を殺されたロシア人の姉が、いかつい男どもを従えて、ドラッグ・ディーラーのパーティにやって来たり、あげくのはてに、マシンガンを手にマックスの手助けをしてくれる。ところで、いったいあんた誰?
 という具合に、お粗末な脚本がこの作品の致命傷で、ところどころ良い箇所もあるにはあるのだが、それを上回る展開の安直さが足を引っ張ってしまうのだった。

 主演のマーク・ウォールバーグも、ハードボイルドを演じるにはいまひとつ渋みが足りない中、救いは、あんた誰? とか言って申し訳なかった姉が美人だったこと。ロシア人でマシンガンを持てるのは、ロシアン・マフィアしかいないのは明白なので、要はそんな彼女が、なぜそこにいるのか? ジャンキーな妹の敵討ちとはいえ、なぜマックスを助けてくれるのか? 冒頭にでも麻薬を巡る緊張関係が地元デーラーとロシアン・マフィアの間にでもあることが描かれていればまだしも、やっぱり分からないから感情移入出来ない。
 ・・・と、まあ、そんなこといいや! お姉ちゃんを演じたミラ・クニス嬢に免じて、よしとしよう。でも、ラブ・シーンとかないのはもったいなさ過ぎ!!


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『ヘルライド』 [映画]

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                   『ヘルライド』(アメリカ版のいかにもなジャケット) 


 ゴールデンウィーク初日の朝、それも5時半。
 パチッ! と、目が覚めて、トイレへ行って、さて、どうするか・・・と、布団の上でしばし考え、で、考えている間に眠れなくなり、けっきょく未見のDVDをごそごそと漁る。
 「そういえばこれ観てなかった!」
 ということで、『ヘルライド』に決定!!
 なんてたって、 『キル・ビル』 × 『イージー・ライダー』ってのがそそられる。おまけに<無修正特別版>とある。
 ちょっとドキドキするぞ・・・。

 STORY:バイクチーム、ヴィクターズとシックス・シックス・シックスは対立していた。どうあやその原因はヴィクターズのビストレロとシックスのビリーの過去にあった。
 ビリーは大金のありかを聞き出す為に、ビストレロの女を殺していたのだ。ビストレロは殺された女の復讐に、シックスのメンバーを血祭りに上げる決心をする・・・。

 おおざっぱなストーリーはこんな感じ。
 対立する2つのグループ、復讐、女、、、昔からの定番と言えばあまりに定番なれど、やはりこれは外せないとばかりに、王道路線を突っ走る!
 製作総指揮にタランティーノがが加わっているので、映画のテイストは『レザボア・ドッグス』のバイクバージョンぽかったりもして、アホ臭くもけっこう楽しめる仕上がりになっている。ところどころで過去の出来事がインサートされたりするのもご愛嬌。

 ところで、アメリカのバイカー物を観るたびに不思議でならないことがあって、
 ①メンバーは中年がほとんどなのだが、生活費はどうしているのだろう?
 就職しているようにも見えないし、金持ちでもなさそうだし、その分嫁さんが働いている風でもなし。だいたいみんな結婚してないし。
 ②なんでいい女が寄ってくるのだろう?
  ひげもじゃで汚いG-ジャンを着込んだ姿は、どうひいきめに見てもNo Thanks だろうに。逆らったらなにされるか怖いから、愛想よくしているだけなら分からなくもないが。
 ③こんなに次々と殺しあっているのに、警官のけの字もないんですけど・・・。
  これが本当なら大量連続殺人犯で即刻指名手配は確実!

 なんかこれを観てると、うらやましいのだ。
 だって、バイク乗って、酒飲んで、女抱いて、、、。
 サラリーマンになんてなるんじゃなかった、アメリカ行ってバイクに乗るんだったって、つい思っちゃうぞ!!!


 ps. 無修正特別版の意味は、ビストレロの寝る女のヘアーが見えること。ちんときれいに刈り込まれているのだった。

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『アバター』(3D版) [映画]

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 やっとこ行って来ましたよ、話題の『アバター』(3D版)へ。
 ジェームズ・キャメロン監督の来日、連日のCM大量スポットと、公開に合わせての話題作りも万端で、" とりあえず観ないと始まらない " と、流行に敏感というか、流行に流されゆく哀しき群集の一人として、出掛けたのでした。

 座席を決める時に、受付のお姉さんが、
 「この辺りが良く見えますよ
 なんて、親切に教えてくれるので、ワタクシ、すかさず、
 「あなたの選んだ席に座ります!」
 と、いくばくかの友愛と、いくばくかの愛情の入り混じったlovelyな返答をさせていただきました!

 彼女ご推薦の席は真ん中の真ん中(意味分かりますよね)で、いつも人のいない端の方から斜めにスクリーンを眺めてばかりいたので、ちょっと新鮮な気分です。

 ストーリーは改めて書くまでもなく、非常に単純で、地球に資源がなくなってしまったため、惑星パンドラで現地住民ナヴィと仲良くなって、彼らの豊富な鉱物資源をいただこうというという計画のもと、ナヴィと人間のDNAを掛け合わせて作られたのがアバター。
 そこに死んだ兄の替わりに、戦争で下半身不随となった元軍人ジェイクの意識をアバターにリンクさせ、仲間になることでナヴィを別の地に移住させようとするのだが、ジェイクは彼らのことを知れば知るほど、大地とともに生きる純粋な心に惹かれてゆく。
 やがてジェイクはナヴィの娘と恋に落ち、懐柔策が通じないと分かるや、一転して、今度は武力でもって彼らを制圧しようとする人間と対峙することとなる・・・。

 と、まあ、こんな話。
 ストーリー的にはヒネリもなく、至極真っ当なのだが、この映画を観たアメリカの保守派の人たちが激怒したという、<アメリカという国が抱える暗部>が非常に単純な形で<悪>として表現されていることに、なるほどと、妙に納得させられた。
 自分の言うことを聞かない相手に対して、協力な武器の力で無理矢理従わせようとするそのやり方は、ブッシュ政権下での中東へのアメリカ軍の攻撃を見れば明らかで、ベトナム戦争から40年近く経た今もまったく変わっていない。いや、ベトナム以前からそうだった。
 勝手に、正義は我にあり!を掲げ、他人の地にドカドカと土足で上がり込み、蹂躙し、荒らすだけ荒らして、勝手に終結宣言。そこには他者へのいたわりなど皆無。自分たちの利益のためなら、他がどうなろうが知ったこっちゃない!
 映画ではいささ誇張して描かれているとはいえ、そんな軍隊と、ほとんど殺人狂と化した軍曹が、恐ろしくもある。

 意外な部分で納得してしまったが、それでは肝心の<3D>はどうだったのかというと、始まって数十分は多少感動したものの、次第に慣れてしまい、後半は3Dをあまり意識しないで観ていた。
 黒い3Dメガネはけっこう疲れるし、画面の色が全体的に黒っぽくなっていて、反対に、時々、メガネを外して観る映像の方が倍くらい明るくて、色使いがたいそうきれいなのだ。
 不謹慎ではあるが、3Dじゃなくても良かったかも・・・とか、思ってしまった。

 まあ、お祭りは参加することに意義がある的見地から、まずは見ないと分からないので、ぜひ皆さんも劇場で3Dの良し悪しを体験して下さいね。
 

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『ママ男』 [映画]

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                   『ママ男(MAMA'S BOY)』(2007)


 女性に毛嫌いされるのが、ロリコンとマザコン。
 キモーい!!!
 とか言われて、THE END、はい、さよなら~~~。

 この『ママ男』はそのマザコンを扱った青春コメディで、原題を『MAMA'S BOY』と言う。
 MAMA'S BOYという言い方は英語では完全に慣用句と化していて、同じ呼び名の曲まで存在する。なのでマザコンは世界共通なのだった。

 STORY:父親はすでになく、母親(ダイアン・キートン)は息子(ジョン・ヘダー)と二人暮らし。その息子がまったくのダメダメで、頭は悪くないのだが、やることなすこと、トンチンカン。格好つけているつもりでも、まったくさまにならず、周囲から浮きまくっている。
 そんな中、母親が啓蒙セミナーを主宰する男性(ジェフ・ダニエルズ)と知り合いになり、お互いが惹かれ合う。それを知った息子は大切なママを奪回するために、あれこれ策を練るのだった・・・。

 話は単純で、ご都合主義な展開も多々あれど、さらりと観るにはちょうどいいかも。
 息子の嫌がらせもセコくて、エロ雑誌をこっそり忍ばせるとか、ズボンのお尻に穴を開けるとか、ほとんど子供レベル(笑)。
 それでも何故かそんなママ男君を気にかけてくれる女の子が表れるのだから、あれまあ? なのだ。でも、そうじゃないと映画にならないからそれはそれでアリ。
 コーヒーショップで働く彼女(アナ・ファリス)は、歌手になるのが夢で、夜はステージに立ち、自作の曲を披露するのだが、これがヘタで・・・。
 でも、ウマいヘタ関係なく、やりたいからやるっていう彼女の姿勢や良し。誰もがプロになれるわけはない。そんなこととは関係なく、歌いたいから歌うというのはあってしかるべきだろう(でも、本人はマジメにデモとか録ったりしてるんだけど)。
 そんな女の子を演じるアナ・ファリスが凄くかわいい!!!

 逆に残念だったのが、ダイアン・キートン。演技がどうのこうのじゃなくって、老けたーっ!
 昔、銀座の映画館で観たウッディ・アレン監督作品『アニー・ホール』のイメージが未だに抜けないもので、あれから何年たったんだよ~とは思うのだが、久しく観ていなかったものだから、一気に、キタなあ・・・と。

 どうということのない映画と言ってしまえばその通りなんだけど、気楽に観るにはけっこうイイかも、と思う。
 お約束のハッピーエンドだし。

 追記:劇中、使われている音楽がイカしてる! ジャム、ジェネレーションX等、パンク最高ーっ!!

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『ブレードランナー』(書き足し) [映画]

 先に記した映画『ブレードランナー』について、もう一つだけ。

 デッカードは最終的にレプリカントであるレイチェルを連れて逃亡するのだが、それは彼女に同情と愛情が入り混じった感情を憶えたから。
 4年という短い命しか与えられてないレプリカントを連れて逃げたとしても、彼女が生きられるのはそう長いことはない。それを知りつつもデッカードはそう選択した。レイチェルもまた彼と一緒にいたいと望んだ。物語は悲劇的状況の中での、ささやかなハッピーエンドを迎えたといえないことはないかもしれない。

 ならば、愛情があれば上手くいくのか?

 愛情の先にある人間の自然欲求であるセックスは、その時、どう機能するのだろう?

 相手は人間とそっくりだとはいえ、レプリカント、人工生命体なのだ。
 行為としてのセックスは可能だろう。ダッチワイフ相手にセックスする人もいるだろうから。
 でも、だからといって、ダッチワイフに人間的な愛情を抱くかといえば、答えは、NO。
 しかし、デッカードはレイチェルに愛情を抱いている。抱いてはいても、心の片隅には絶えず彼女が人間じゃないということがこびりついているはずなのだ。それが抜けない限り、セックスはその場限りの不毛な行為としてしか存在不可能なのではないだろうか?

 人間もレプリカントももはや一緒だと、相手を知らなければその通りだと思う。しかし、一度知ってしまった後でも、果たしてそう言い切れるものなのか?
 セックスとは物理的快感とは同等な比率で、精神的充足感もまた重要な要素なのだ。その2つが交わって、初めてセックスはセックスたり得る。
 濡れようが締めつけようが、人工の女性器はどこまで行ってもやはり人工なのだ。そこに自分の勃起したペニスを突き立てる時、果たして虚しさを愛情が凌駕出来るものなのだろうか?

 映画『ブレードランナー』の核は実はそこなんじゃないだろうか、、、。


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                  デッカードと髪を下ろしたレイチェル

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『ブレードランナー(最終版)』 [映画]

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                     『ブレードランナー(最終版)』


 このブログでも取り上げフィリップ・K・ディック著の不朽の名作、『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』の映画化作品。原作同様、SF映画史に残るカルト作品との名誉ある栄誉を頂戴している一作。

 公開は1982年。1979年に『エイリアン』が公開され、一躍有名監督に躍り出たリドリー・スコットの地位を決定づけた作品でもあるが、公開当時は大ヒットには至らず。評価もそれほど高くなかったように記憶している。今のように作品が不動の地位を築いたのは、公開されたかなり後になって。マニアが騒ぎ出したからだ。

 今回、改めて最終版なるバージョンを観て、最初に公開されたものと、正直、どこがどう違うのかピンとこなかった。それもそのはずで、最初のバージョンを観たのは今から20年も前なので、はっきり言ってよく憶えてないのだった。ごめん。
 で、20年後もやはり面白かったか、というと、面白くもあり、過大評価されている部分もありかな、と、いうのが率直な感想となった。それと、原作とは別物と考えた方がスッキリするということが分かった。

 この作品があまたあるSF作品を超えて、現在まで確個たる指示を受けている点は下記の3点。

 ①この作品以降、映像の作り手に大きな影響を与えたのが、近未来の都市の有様だった。
 <未来は清潔ですべてがきれいに整備された都市>に違いないという最大公約数的イメージは、テクノロジーの進化にその起源を求められるかと思う。しかし、この映画で描かれた未来の都市の姿は、整備された部分も当然ありはするものの、アジアとでも呼べる混沌とした猥雑さもまた平行して存在するものだった。
 雨が降り止まぬ街には、新宿の「思い出横丁(別名:しょんべん横丁)」をモデルとしたような、狭く、汚れた吹きさらしの小さな店が連なっている。
 これが輝かしい(はずの)我々の未来なのか? 誰でもこのシーンを観て、ショックを受けたに違いない。こんなはずではなかったのに・・・。このショックは『マッドマックス』を観た時も同様にあったのを想い出す。

 ②原作の核でもある、人間とは? アンドロイドとは? という命題を扱っている
 人間にとって重労働や危険な作業を回避することを目的に、レプリカントは奴隷として作られた。寿命は4年。高い知能と身体能力を持つレプリカントが、そんな境遇に甘んじなければならない理由はたった一つ。人間によって作られた存在だから。しかし、作られた命であろいうと、レプリカントたちにとっては真の命である。それなのになぜ、自分たちには4年の命しか与えられていないのか? 永遠に奴隷という立場しか与えられていないのはなぜか? 
 ある者は残りの命を奴隷としてではなく過ごしたいと思い、ある者は自分の存在意義を求めて、地球へと逃れて来た。もともと彼らは「逃亡」という罪以外犯していないのである。それなのに対レプリカント専用捜査官、ブレードランナーに追われ、始末されなければならないのだ。

 ③人間とレプリカントに違いなどあるのか?
 外見はまったく区別がつかない人間とレプリカントを見分ける方法はたった一つ。いくつかの質問を用意し、その回答によって身体に何らかの変化が表れれば人間、そうでなければレプリカントとなる。これはごく微細な違いを読み取る専門的知識を必要とする。だが、違いはこれだけなのである。
そして、レプリカントを開発した博士の秘書、レイチェルに至っては、自分のことを人間と思い込んでさえいるのだ!
 誰が人間で、誰がレプリカントなのか? 人間の中にも犯罪を犯す者もいれば、他人に攻撃的な態度を取る者もいる。反対に、レプリカントの中にも温厚で、周囲に気を使えれる者もいるはずだ。ならば重要なのは "人間か? レプリカントか?" ではないのではないか?

 以上、確かに興味深い物語ではある。出来ればF・K・ディックの原作とこの映画の両方を見比べて、その違いと共通する部分の両方を味わってみて欲しい。
 個人的には原作に比べ、映画は映像としての特筆すべき箇所は多々あるものの、主人公デッカードのアクション付きの単なるレプリカント捜査物語になってしまった点はいささか残念ではある。まあ、これ以上やって『惑星ソラリス』みたいな方向に行ってしまっても、それはそれで困りもの(?)かもしれないが。

 細かいことはウィキペディアに紹介されているので、時間があればそちらをご覧下さい。

 
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