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『地中海殺人事件』 [映画]

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                   『地中海殺人事件』(1982)


 アガサ・クリスティ原作の映画化作品はずいぶんとあり、古くはビリー・ワイルダー監督、マレーネ・デートリッヒ主演の『情婦』(1957)が有名だろう。この作品はもともと『検察側の証人』というタイトルで出版された舞台劇であった。

 時は移り、70年代になると、クリスティの最高傑作とも誉れ高い『オリエント急行殺人事件』(1974)が映画化され大ヒット。一躍名探偵エルキュール・ポアロの名が広く一般に認知されると同時に、クリスティ原作ものが続けざまに映画化、純粋な推理ものを経て、この時代は<観光巡り的な要素>を取り入れた推理映画というジャンルの先駆者となってゆく。

 今回取り上げる『地中海殺人事件』もその例に洩れず、太陽とマリンブルーの海を舞台に、殺人事件が起こる。
 かつて有名な女優であり、今は結婚して引退しているアリーナは、夫と連れの娘と3人で地中海の小島にあおうとたくらむるリゾートホテルを訪れる。バカンスと称して集まったのは、アリーナと愛人関係にある色男とその妻、かつてアリーナ主演の舞台を手掛けていて、引退中の彼女をカムバックさせようとたくらむプロデューサー夫婦、アリーナの自伝を書き上げ、彼女に出版の了承を取り付けたいライター、結婚をちらつかされて高価な宝石を送った男等、だれもがいわくつきの者たちばかりだった。おまけにリゾートホテルの女主人は、かつてアリーナのライバルだった女優で・・・。

 このように、登場人物誰もが犯人になりそうな人たちばかりで、それに加えて当時はまだ身近ではなかった "地中海" の美しい景色が堪能出来るのがミソ。かくいうワタクシも新婚旅行の候補地に地中海クルーズを加えたことを白状致します(笑) 一度は行ってみたい憧れの地なんですね。昔から。
 "灰色の脳細胞" と呼ばれるポアロが状況を分析し、最後に全員を集めて自分の推理を披露、見事犯人を言い当てるシーンが毎度毎度のお約束!! ピーター・ユスティノフ演じる太鼓腹のポアロもほのぼのしつつ、最後は噂通りの頭脳を発揮し、観客の期待に答えるのであった。

 お気軽な娯楽大作としてのんびり楽しめるので、その点では良い作品と言えるだろう。悪く言えばテレビ東京で放映されるタレントの旅巡りのようなものだが・・・(笑)
 原作は『白昼の悪魔』。


 
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