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『銀河系よりの使者』(T.REX) [音楽]

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                『銀河系よりの使者/T.REX』(1976)


 今から思えば、T.REXの音楽的黄金期は、『電気の武者』(1971)~『スライダー』(1972)のわずか2、3年。
 その後発売された『タンク』(1973)では、あれほどキラキラと輝いていたボランズ・ブギーがマンネリ化してしまい、急激に魅力を失ったことを図らずも証明してしまった凡作。それでも次作『ズィンク・アロイと朝焼けの仮面ライダー』(1974)でティーンのアイドルだけじゃないところを披露。しかし、ボラン流ブラック・ミュージックを実践した傑作だったにもかかわらず、セールス的には振るわなかった。
 それを反省してか、『ブギーのアイドル』(1975)では、グラマラスなストリングスを排し、バンドっぽさを強調して新生面を打ち出す。、楽曲は充実していたものの、すでに時代からは完全に置いて行かれた人となってしまっていた。

 この『銀河系からの使者』(1976)は、そんな低迷期に発表され、過去のファンにもほとんど無視された悲劇の一作だ。
 そもそもなんで今更ドラゴンに乗ってファンタジーごっこをしなければいけないのか? 多分、当時、リアルタイムでこのアルバムと接した人の多くがそんな意見だったはずだ。で、肝心の音は、、、これがもうヤケクソとしか思えない、コテコテのグラマラスさ。過剰なストリングス、やり過ぎのコーラス。曲はつまらなくはないが、シングルヒットするような決定打がない。
 ボクもこのアルバムだけはずーっと無視してきた。それでも他のアルバムをせこせこと中古で揃えるうちに、これだけ残ってしまい、さすがにそこまで無視も可愛そうだよなと、一念発起して購入(とは言っても1000円しなかったけれど)。それでも予想していたほど悪くはなかったので、ホッと一安心する。でも、殿(ボラン)ご乱心!!! という感想は拭えなかったけれど。

 30歳までに自分は死ぬだろうと予言し、30歳を目の前にして事故死してしまったボラン。
 まさしく彗星のごとく、キラリと一瞬の輝きを残して彼方の旅立って行った彼のことを、「Wizard」に違いないと信じているボクは、なんだかんだ言いながら、T.REX好きなのだった。


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