「I'll Have To Say I Love You In A Song」(ジム・クロウチ) [音楽]
感謝の気持ちってのは、なかなか形に表しづらいものだったりする。
それが特に夫婦間の間ではなおさらのこと。
フランス人、イタリア人あたりを見ると、そんなことなさそうだけれど、アメリカ人とかはどうなんだろう?
自分の感情、思いを伝えるのがヘタなのは、なにも日本人だけではないんじゃないかと思う。
なぜなら、ボクの大好きなJIM CROCE(ジム・クロウチ)という人の曲を聴くたびに、生きるのに不器用な男の心情がリアルに表現されていると、いつも感心させられるから。
ジム・クロウチは70年代に活躍したアメリカのシンガーソングライターで、土の臭いと、都市部ではなく、田舎町で生活する一市民たちの暮らしや想いを歌った名歌手だ。
デビューは1960年代半ば。奥さんのイングリッドとのおしどり夫婦としてレコードを発表するも、まったく売れず。一時はそのため廃業し、トラックの運転手とかしていたらしい。
70年代初頭に、たまたま彼の曲がドラマの挿入歌に起用されたことから「Time In A Bottle」が大ヒット。今度はツアーにつぐツアーで休む間もなくアメリカ中を移動、その途中で飛行機が墜落し、死亡。
ボクが彼の歌を最初に耳にしたのはラジオからで、「Time In A Bottle」が流れた瞬間、周りの空気が一変したのを覚えている。素朴な語り口と憂いを帯びたメロディーが琴線に触れるのだ。
そんな彼が残した一曲に、「I'll Have To Say I Love You In A Song」がある。
武骨な男が、自分の奥さんに面と向かって「愛してる」と言えないはがゆい想い、それを歌に託して伝えようとする内容は、I Love Youを半ば習慣的に使っているアメリカであっても、心からの想いはなかなか口に出して言えないものなんだなあ・・・と、教えてくれるようだ。当たり前だが、アメリカ人にだってシャイな人はたくさんいるのだ。それが日本人だったりすれば、なおさら、、、ねえ。
そんな男心を飾らない言葉でトツトツと歌う。
「I'll Have To Say I Love You In A Song」
もう夜も遅いってことはわかってる
君を起こしたくないしね
でも、言わずにはいられないんだ
君がわかってくれてることは知ってるさ
いつだって君に言おうとするんだけど
言葉が上手く出てこないんだ
だから、この歌に託して君を愛してるって言わなくちゃ
君のそばにいると
なんか落ち着かないんだ
言うべき言葉がどこかに行ってしまう
君がわかってくれてることは知ってるさ
いつだって君に言おうとするんだけど
言葉が上手く出てこないんだ
だから、この歌に託して君を愛してるって言わなくちゃ
いつだって、今がその時だって思うのに
言うべき言葉がどこかに行ってしまう
だから、この歌に託して君を愛してるって言わなくちゃ (訳 TAO)
ジム・クロウチが亡くなった後は、奥さんのイングリッドが彼の楽曲をしっかり管理しているそうだ。
生前、ジム・クロウチ単独名義で発表したのはわずか50数曲。そのどれもが珠玉と言える素晴らしいものばかりだ。つまらない曲が1曲もないのは、まさに驚嘆に値すると思う。
http://www.youtube.com/watch?v=jB6BE7HoE7I&feature=related
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